男も女も家にいたくないから働く

家にいるのが嫌だから働いているという人とこれまでに何回が話しました。
 

男編

典型的なのは、妻子ある男性のイメージだと思います。
専業主婦の妻と子供が家庭の中心になっており、家庭内に居場所が無い。
早く帰ってもやることが無いので、だらだらと残業をしてから帰る。
私の経験から言うと、部署(20人位のイメージです)に一人くらいはこういう人がいます。
こういったタイプは害悪ですが、よっぽどアウトプットが出ていない場合を除いて、会社からの評価は悪くない場合が多いです。
長時間労働が会社への忠誠心とやる気のバロメーターとして評価され、数値化出来る実績にで評価できない職種では、これらのウェイトが高かったりします。
 
私は会社が嫌いで一人でいられる自分の家が好きなので、会社に長時間いることを苦にしない人がいると困ります。
定時が終わった後の時間に平気で打ち合わせを入れたり、なんでもかんでも当時中に処理して当然というような言動をします。
また、一部の人は想像力の欠如が甚だしく、他人に対しても「早く帰ってもやることがないだろう」という恐ろしい言葉を口にします。
 

女編

女の人の場合は、姑と一緒に家にいるくらいなら働きに出たほうがましだという中高年の女性が多いように思います。
私の母親がそうでした。
以前にも書きましたが、私の祖母はいろいろと問題がある人でした。
そのような祖母から日中だけでも逃れるために、母は仕事を必要としていました。
また、働くようになって知り合った20歳ほど年上の婦人は、夫の稼ぎが相応にあり、子供も成人しているにも関わらず、大して給料が良くない派遣の仕事をしていました。
その人もそれほど働くことに熱意があるわけではないようでしたが、やはり家にいると高齢の姑から用事を押し付けられたり同じ話を何度も聞かされるため、会社にいた方がましだと言っていました。
 

家族からの避難場所

私は周囲に自分以外の人(当然家族も例外ではありません)がいるのが苦手なので、家族がいるから家に帰りたくないという気持ちも分かる気がします。
(ただ、私は同じ理由で会社のオフィスも嫌なのですが。)
また、働くのは嫌いですが、収入を得て自活することで家族と距離を置く術を与えてくれたという点では、これまで働いてきた会社に恩義を感じています。
この、家族から離れるために会社を利用しているということにおいて、私は上述の紳士や婦人と同じです。
 
ノンフィクション作家のphaさんが著作の「持たない幸福論」で『「家族」は人々を不自由でしがらみ多い「イエ」から開放した。ただそれと同時に、家族内の問題は家族という閉じられた関係の中で処理しなければならないというタフな自己責任論が生まれた。』という趣旨のことを書いていました。
本稿に照らせば、閉じられたコミュニティからの逃げ場として、会社を利用する人がいるのです。
 
逃げ出すほど嫌な思いをしかねないのに、なぜ人は家族を持つのでしょう。
自分だけは、不幸のくじを引かないと思っているのでしょうか。
それとも、幸福な家庭の出身者は家族の持つ陰惨な側面を意識せずに自分の家族を作るのでしょうか。
自分の中でも答えが出ていないのですが、ひとつ自分なりに確かなことがあります。
僕がこんなに嫌だ嫌だと言いながらも働き続けている理由の一つは、30歳を過ぎてなお、家族から逃れるためのヘイブン(避難場所)を必要としているからです。

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コメント

  1. SPQR より:

    三界に家(ヘイブン)がないのは女も男も関係ありませんね。
    私の職場にいる所帯持ちで住宅ローン返済中の男性は、「家に帰らなくても済むように、車中泊が出来るハイエースに乗っているんだ」と、豪語していました。
    帰りたくない家のローンを支払うために、労働に心身を削り取られてゆく境遇は想像するだけで身震いがします。

    • minusniki より:

      >>SPQRさん
      コメントありがとうございます。
      ご紹介いただいたハイエースの男性の話、なんとも切ないですね。
      やっぱり一人で生きるのが大正解なんじゃないかという気持ちになります。