転職希望者の苦しさを「青い鳥」で片付けて良いのだろうか

転職する人がそれなりに増えたためだろうか、一周回って「転職は慎重に」と言われることが多くなったと感じる。
人材紹介会社の広告まで「転職しないという提案もできる」ことを主張するようになった。
転職に慎重な人々は「青い鳥はいない」とよく言う。
どこに転職しても、会社に対する全ての不満が解消できるとは期待しにくい。
隣の芝生が青く見えているだけかもしれない。
こんなはずじゃなかったと思うくらいなら転職なんてしないほうが良い。
 
 
ごもっとも。
ただ、この「青い鳥探しを諌める視点」もまた一面的だ。
転職は何でも解決する魔法の杖ではないし、転職したい理由が自分の問題のこともある。
だが、自分に問題があってもそれを解決できないとしたら、環境を変えることでしか解決できないのではないか。
 

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問題は自分にあるか会社にあるか

よくある転職理由を6つ挙げる。
  • 「上司と合わないので転職したい」
  • 「同僚や関係先に嫌な人がいるので転職したい」
  • 「職務内容に不満があるので転職したい」
  • 「希望とは違う部門に異動になってしまったので転職したい」
  • 「拘束時間が長いので転職したい」
  • 「給料が低いので転職したい」
 
転職関連の本や採用担当者と話した感触だと、上にある理由の方が面接官から受け入れられにくく、下にある理由の方が受け入れられやすい。
上の方は転職したい理由が本人にあり、下の方は会社の方にあると見られやすい。
特に人間関係は、転職しなくても「異動まで我慢する」「ストレスを感じないような対処法を見つける」ということでも対処できると言う人がそれなりにいる。
 

人間は変われるか

自分に問題があり、それを解消するというのは、大なり小なり「自分を変える」ことが必要だ。
だが、人間はそう簡単に変わるだろうか?
人間の外界からの感じ方は、有用なアイデアや発想の転換で一変することもあれば、訓練で徐々に変えることが出来ることもある。
だが、個体差のレベルで与えられた資質、これまでに過ごした環境、現在置かれている環境によっては、相応の努力をしても変えられないこともある。
 
「嫌われる勇気を持て」と言われて目から鱗が落ちた人。
実際に嫌われる勇気を持てましたか?
他人の言動に傷つかないようになれましたか?
他人は自分を満足させるために存在するのではないと知り、裏切られたと感じても平静でいられるようになりましたか?
タイトル:嫌われる勇気著者:岸見一郎、古賀史健出版社:ダイヤモンド社2014年のベストセラーであり、アルフレッド・アドラーの思想を現代日本に広めた本。私は友人の勧めで昨年の春頃に手にとった。アドラーの思想はしばしば自己啓発の源流と言われる。本書の冒頭でも、ス
 
出来る人もいれば、出来ない人もいる。
人間には変えられるところとなかなか変えられないところがあり、それはおそらくくじ引きで割り振られている。
人間の世界を動かす力学について考えて参りました。 この世界の言説は、ネットでもリアルでも、マウンティングや煽りが多く見られます。 匿名の...
 

僕は青い鳥ではなく空気を求めていた

僕も何回か転職している。
しかも前項で挙げた区分だと「自分に問題がある」とみなされるような理由で辞めている。
ただ、僕が転職しようとした時に求めていたのは、青い鳥というよりは空気だった。
 

(・ω・)良い雰囲気とかそういうの?

(。_。)違うんだ。呼吸するための空気なのよ。

 
すり減って、息をするのが苦しくて、少しでも楽になりたいと思って転職しようとしたんだ。
大げさだと思われるかもしれないが、その時の苦しさは切実だった。
 
友人に話を聞いてもらった
対人関係に関する本を30冊は読んだ。
カウンセリングを受けた。
認知行動療法を学んでノートに悩みとその対応方針を書き付けた。
 
それでも苦しさを解消できなかった。
会社を出た途端に明日の事が気になり、ストロングゼロかカップ焼酎を飲んだ。
日曜になると月曜日が来るのが嫌でたまらなく、昼から酒を飲んで、安い飯と安い菓子を食べて嘔吐していた。
会社が終わると最寄りのコンビニで酒を買う。1杯目によく使っていたのは、ここ数年出てきたアルコール度数の高い(8%~9%)チューハイだ。150円、350ml、高度数でコスパが良いし、糖質も少ない。さらにサンクスだと、ユニーのPBで同じような商品がコンビニでも100円程度で売
 

「青い鳥」という言葉を使う人は、相対的に恵まれた環境にいるにも関わらず「周りが転職しているのでなんとなく」という理由で転職しようとするような人を諌めたいのだと思う。
気持ちはよく分かるし、当人のためにもなると思う。

だが、「青い鳥」「自分に問題がある」という言葉は、本当に苦しんでいる人にも後ろめたい気持ちを覚えさせてしまう。
だから、せめて僕はこう言いたい。

「自分に問題があるとしても、それを解消する方法をいくつも試して、それでも苦しさが解消されない時は、環境を変えるために転職しても良い。
その責任は自分で取る必要があるが、すり減って無くなってしまうよりはずっと良い。
あなたが探しているのは、青い鳥なんかじゃなくて、もっと切実な空気なのかもしれないよ。
 

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