アルコールとマクロ寄生
アルコールの相対的なヤバさ
ドラッグ等の有害性、依存性の相対ランキング | |||
身体への有害性 | 依存性 | 社会への有害性 | |
平均 | 平均 | 平均 | |
ヘロイン | 2.78 | 3.00 | 2.54 |
コカイン | 2.33 | 2.39 | 2.17 |
街角のメサドン | 1.86 | 2.08 | 1.87 |
バルビツール酸 | 2.23 | 2.01 | 2.00 |
アルコール | 1.40 | 1.93 | 2.21 |
ケタミン | 2.00 | 1.54 | 1.69 |
ベンゾジアゼピン | 1.63 | 1.83 | 1.65 |
アンフェタミン | 1.81 | 1.67 | 1.50 |
タバコ | 1.24 | 2.21 | 1.42 |
ブプレノルフィン | 1.60 | 1.64 | 1.49 |
大麻 | 0.99 | 1.51 | 1.50 |
溶剤 | 1.28 | 1.01 | 1.52 |
4-MTA | 1.44 | 1.30 | 1.06 |
LSD | 1.13 | 1.23 | 1.32 |
メチルフェニデート | 1.32 | 1.25 | 0.97 |
アナボリックステロイド | 1.45 | 0.88 | 1.13 |
GHB | 0.86 | 1.19 | 1.30 |
エクスタシー | 1.05 | 1.13 | 1.09 |
亜硝酸アルキル | 0.93 | 0.87 | 0.97 |
カート | 0.50 | 1.04 | 0.85 |
出所: Development of a rational scale to assess the harm of drugs of potential misuse, David nutt(2007)をもとに当サイト作成。出所では「身体への有害性」等の大項目ごとに複数のサブ項目があるが、この表では大項目のスコア(サブ項目の平均)のみを載せた。
この調査の身体的な有害性(Physical Harm)を横軸、依存性(Dependence)を縦軸に取った散布図がWikipediaにも掲載されている。

出所:Drug harms in the UK: a multicriteria decision analysis, David Mutt(2010)
このように、アルコールは他のドラッグや処方薬と比較すると相対的になかなかヤバい物質なのだ。
社会的寛容さとマクロ寄生
酒は古くから嗜好品として摂取される中で、徴税制度や経済活動と結びつき、多くの利害関係者を巻き込むようになった。
国家、税理士、酒類メーカー、小売業者、広告会社、広告媒体(メディア)といった当事者。さらには経済取引で当事者と結ばれた関係者。
「三菱系の会社は飲み会でキリンビールしか飲まないらしい」というのは当事者が関係者を巻き込む一例だろう。
ミクロ寄生:病原体や家畜が、人間の増加や移動とともに増減したり伝播していくことマクロ寄生:文化や社会的な制度が、人間の活動とともに繁栄・衰退したり伝播すること
この軸で捉えると「飲酒習慣」と「エタノール」はマクロ寄生的に人間の経済活動や社会制度と結びついて、その毒性と比べて寛容な取り扱いを享受していると言えるのではないだろうか。
マクロ寄生に公平感で抗う
加えて、今回は上で述べたようなマクロ寄生的に蔓延する飲酒文化に対して、不公平感を持って取り組みたい。誰かの養分にされているという認識を持つことで抗いたいのだ。
酒で経済的な利益を得る人がいても良い
酒を楽しむ人がいても良い
だが、アルコールを現実から一時的に逃れるための手段として求めてしまう人もいる。
そして現実の捉え方は人によって様々だ。
これは結局、くじ引き的に負の要因を割り振っているように見えるのである。